F.J. と学ぼう!!

このブログの執筆者である通称F.J.とともに、様々なことを学んでいこう!というコンセプトのブログです。基本的に僕の好きなテーマや今やっていることに関する内容が提示されるので、皆さんも読んだら内容について思考してみてください。理由・根拠は明確にするように努めます。

影響力の武器(原題:INFLUENCE: SCIENCE AND PRACTICE)

各章の要約

  1. 影響力の武器6つ。要するに、我々はある特定のトリガーを与えられると、意識と無関係にそのトリガーに結びついた特定の行動をしてしまうのだ。根拠は以下の一つの例に集約される。例)七面鳥の母鳥は他と比べて非常に献身的にヒナを世話することで有名だ。しかし、これは母鳥たちの慎ましい慈悲の心からくるものではないのだ。この原因となっているのは、ただ一つ、ヒナの「ピーピー」という鳴き声を聞く、ということだけなのだ。試しに母鳥に対して、七面鳥の天敵であるはずの毛長イタチの剝製にヒナのピーピーという鳴き声を録音したテープを仕込んで近づけてみると、なんとそのイタチを可愛がりだした。逆にピーピーと泣かなければ、本物のヒナとて、無視され最悪殺されることもある。
  2. 返報性の原理。要するに「Give and Take」とはお互いに対等なものを交換している必要はなく、「Little Give and Big Take」が見込める、ということだ。先に与えた者ゲーだ、ということだ。
  3. コミットメントと一貫性の原理。要するに、人は行った行動に対して、後付けで理由を与える、それどころか、今後もその行動の正当性を保つために、類似の行動をとってしまう。
  4. 社会的証明の原理。要は、人は不安かつ不慣れな時ほど、自分と似た状況にいる人の行動を真似して動いてしまう、ということだ。これは傍からみればチャンチャラおかしい行動さえも引き起こしてしまう。例えば、集団自殺さえも。
  5. 好意の原理。要するに、好意を持ってしまった相手の言うことはほとんど自分にとって誠実で正しいから、全部信じてしまってOK!と思ってしまうという原理。では、どんな相手に好意を持つのか?それは、外見の魅力、自分との類似性、お世辞、接触、共通も目的を達成するための協同、が主だ。歴史上、人間は他人の好意を操りたいと思ってきた。その答えは案外集約されうる。
  6. 権威の原理。要は、「この人は自分よりも何らかの点で自分とは遠く、比べものにならないものをもっている!」と思ってしまった相手に対しては、平服し、易々と言うことをきいてしまう、のだ。
  7. 希少性の原理。要するに、人は得る喜びよりも、失うことへの恐怖の方が圧倒的に強い、ということだ。失うものは、機会、愛、お金、評判、プライド、etc.
  8. 手っとり早い影響力。要するに、複雑な問題で溢れる現代で生き抜くためには、上記の6つの原理は頭がパンクしてしまわないために非常に有用だし不可欠だが、この特性の裏をかいてゆくものを同時に存在していることを忘れてはならない。

内容想起のためのQuestions

Q1. この本の問題提起は何か?

承諾の6つの原理は、なぜ、またどのようにして機能するのか?

Q2. 解決(法)は何か?

承諾の6つの原理は、人間のステレオタイプや社会的な学習の影響が強いため有効。

Q3. この本はどういう論理構造で展開されたか?

最初に動物の例から導入し、人には短絡的な思考パターンに基づいてしまう行動原理が主に6つある、ということを述べ、次に、その行動原理6つをそれぞれ理論と豊富な例を用いて展開。最後に、現代に生きる読者への注意喚起にて締めた。

Q4. この本を読んで、要するに何を学んだか?

人間ならば、意識を用いては避けがたい、強力な6つの if ... , then ...ルールがある、ということ。

Q5. この本のキーコンセプトは何か?

人間にはほとんど認識することが出来ない判断基準があり、それは時に不利益をもたらすので認識しなければならない、ということ。

Q6. この本に挿入された図やグラフから何を得ることができたか?

知識に到達するための文章を読んだ後の理解を深める補助。図やグラフを頭で解釈しようとしたことで、理解が深まった。

Q7. この本と他の本とを比べて、似ている要素、違う要素は何か?

  • 似ている要素:中心コンセプト→具体例の提示の論理構造。
  • 異なる要素:個人的な意見や感想、あるいは経験を根拠に書いているのではなく、豊富な研究と事例の蓄積を根拠にしている点。

Q8. この本を読んでどう感じたか?

豊富な研究から導き出される真理は、なんて俺の人生を有意義にしてくれそうなんだ!♪

Q9. なぜこの本が重要だと思うか?

人は知らず知らずに日々の行動を行っているが、そこにメタ認知的視点を与えてくれるから。

Q10. 作者の意図は?

自分にとって不利益だろうと分かりきっているのにその判断パターンに幾度もハマってしまうので、その原理を科学的に解明したい!

Q11. タイトルは内容に合っているか?また合っていないなら、代わりのタイトルを示せ。

合っている。人が影響されてしまう原理について書いてあることがわかるし、武器と聞くと興味をそそられる。代案を示すとしたら、『影響の原理』かな。

Q12. 本のキーワードの作者の定義は?

  • Weapons of influence(影響力の武器):要請を受け入れる傾向に強い影響を与えている原理、のこと。
  • 心理的ラクタンス:自由な選択が制限されたり、失われたりしそうになると、自由を回復しようとする欲求から、私達はその自由(及びそれに結びつくモノやサービス)を以前より強く求めるようになる、ということ。By 心理学者ジャック・ブレーム。
  • 判断のヒューリスティック:判断を行うときの心理的な思考の近道、のこと。
  • コントロールされた反応:すべての情報を十分に分析したうえで反応する傾向、のこと。
  • コントラストの原理:二番目に提示されるものが最初に提示されるものとかなり異なっている場合、それが実際以上に最初のものと異なっていると考えてしまう心理的傾向、のこと。
  • 譲歩的要請法(Door in the face technique):まず、確実に拒否されるような大きな要求を出し、相手に拒否される。次に、その要求よりも小さな本命の要求をする方法。これが強力な理由は、コントラストの原理と返報性の原理の両方を含んでいるから。
  • 段階的要請法(Foot in the door technique):最初に小さな要求を飲ませておいて、それと関連するより大きな要求をどんどん通していく手法、のこと。コミットメントと一貫性の原理が作用するため有用。
  • 承諾先取り法(Low-ball technique):まず相手にとって有利な条件を提示し、喜んで同意するという決定を誘いだした後、決定してから契約が書面上で完了するまでの間にもともとあった有利な購買条件を取り除く手法、のこと。
  • ハロー(後光)効果:社会心理学用語。ある人が望ましい特徴を一つもっていることによって、それが強いハロー(後光)となって目がくらみ、ほかの部分までそのハローのバイアスがかかって見える、という効果。

    Q13. 一番おすすめの章はどれか?またその要約を短くまとめよ。

  • イチオシの章:Chapter 4 社会的証明-真実は私たちに。
  • 要約:人はその状況に対して不安なとき、自分と似ている状況にある人間の行動に非論理的に同調してしまう。行動のための理由を同じような状況にいる他者に求めるのだ。しかしそんな状況には自分と似ている人以外の人にも目を向けて対処法を考えるべきである。

    Q14. 「まえがき」は本全体の理解に役立ったか?

    役立った。全体の論の構造についての概観を提供してくれた他、なぜ著者、Dr. Cialdiniがこんな研究を始めたのかの理由もわかったため。

    Q15. 作者がこの本を面白くするための工夫は何だったか?

  • 作者自身が専門家としての意見と研究成果を上から目線で素人である読者に対して説明をしていくだけではなく、自分自身もだまされやすい人間だった、と言って目線を揃えて論を展開していたところ。
  • 例として、世間で話題になったニュースや身近なニュース、事件を豊富に挙げていたところ。

    Q16. 作者のどの論に一番賛成できたか?また、それはなぜか?

    人の、あるトリガーに対して特定の行動をしてしまう機械的な性質を、ビデオデッキに例えて、ボタンを「カチッ」、映像を「サー」という風に表現したところ。(∵人のこの行動の性質をうまくVisualizeしやすいように、例として提示していたから。)

    Q17. この本の変わっている所は何か?

  • 5th Editionなだけあって、読者から寄せられた感想や読者の経験を「読者からのレポート」として、具体例の一環として取り上げていること。
  • 章の終わりに、章のまとめ、「内容の理解」として基礎を確認する質問、応用を効かせられるか試すための「クリティカル・シンキング」の項を設けているところ。
  • クリティカル・シンキング」の項において、必ず、章の初めに提示した写真は、どのような点で本章の内容を反映しているか?を訪ねる質問があるところ。

    Q18. 本のオチは良かったか?

    現代に生きる読者への注意喚起で締める、というのは良かった。(∵読者は危機感を感じて、内容を見直すだろうから。)

    Q19. 面白かった例を3つ提示せよ。

  • 社会的証明の例、集合住宅の住人ならば誰にでも見える場所で女性が20分以上暴力を振るわれて、何度も悲鳴を上げたあげく殺されてしまったのに、誰もそれを見ていながら通報しなかった例。
  • 社会的証明の原理の例、南米ガイアナジョーンズタウンでの集団自殺の例。サンフランシスコのあるカルト教団が、アマゾンのジャングルに集団で引っ越した挙句、毒を煽いで集団自殺してしまった。
  • 希少性の原理の例、アメリカの黒人たちが自由民権運動を加速させたのは、奴隷であり続けたり抑圧されていた時代ではなく、一度その抑圧が緩和され部分的な自由を手に入れた後に、その自由が再び抑圧されそうになった時であった、という例。 21p. 1930年代、紳士服を営んでいたドルベック兄弟(シドとハリー)の例。客が店で試着している時にシドは耳が悪いと言い、もう少し大きな声で話してくれるように何度も客に頼む。そして、お気に入り

    Q20. この本で一文だけ線を引くとしたら、どこか?

    19p.「ほとんど本能的な動物の反応パターンと異なり、人間の場合、自動的に回るテープは、たいてい私たちが受け入れるように学習してきた心理学的原理やステレオタイプから作られています。」